あえてフリーメディアを広告メディアとして考える。
2013年を考えてみますと、昨年世界でいろいろな変化が一斉に起こり、いろいろなことの課題が明確になってきたように考えます。そういう意味では2013年はいろいろな課題を解決すべくアクションを起こす時であると思います。また、われわれの業界でもメディアの様相が急激に変容しそれらの対応に日々頭を悩まされている状態でもございます。クロスメディアと言いながらメディアのボーダレスな概念をどうポジショニングするか?はたまた新しい戦略だけでなく既存のスキームをどう生かしていくかなど。数々の大きな難問を抱えています。デジタル、ソーシャルメディア、スマートフォン、ビッグデータ、グローバルというような以前からもてはやされている要素も重要なことであると感じます。そのような流れを私なりに俯瞰した時、クロスメディア・トリプルメディア・ソーシャルメディア云々から、さらなる新しいIT戦略がビジネススキームの新しい仕組みを要望されることになるのではと考えています。それは新しいライフスタイルとして生活者の中に入り込むべき概念だと考えます。そのような展望の中、私どもが提唱し共有している「L´ブランディング」を遂行する上で、ブランディング戦略を基軸に「CS・CRM・CSR」を実行し、メディアとしてのポジションとアイデンティティそして何よりも「コミュニケーションをデザインする」というベクトルは新しいプラットフォームを構築するための重要な基本方針でもあります。
そのような展望の中、ブランドのあるべきカタチとスピリットを捉え、中期的な計画を構築、実践し、そうすることで、社会と地域に対しての有用な情報をプロデュースしていく統括的な役割をわれわれが担わなければならないと思います。それを実現するには、強力な企画とクリエイティブなどのスキルはもちろん、メディア・広告、イベント、ソーシャル、コミュニケーション・テクノロジーなどの要素をダイナミックに組み上げ働きかけることを、今こそ始動させるべきだと考えています。
あえて原点を顧みなければ。
ということで、次代は「SHEAR&SPREAD」をキーワードに何か考えられないか何か行動に起こせないか?と思っています。すべてがすべて新しいことをゼロから探す必要はありません。「Lブランディング」を継続し新たに「L´ブランディング」ステップアップしようということです。今われわれが育て上げてきたものは図らずも優位なポジショニングが築かれています。既存のメディアや事業などにも良いも悪いもいろいろな問題と課題を孕んでいることは事実です。それらの要素をうまくリストラクチャリング(構造改革)すること、またわれわれが拡大してきたドメインをさらに拡張していくことがこれからの課題であるかと思います。弊社では各々が素晴らしいパーソナルプラットフォームを持っています。それらを「SHEAR&SPREAD」共有し拡大していけば「L´ブランディング」は新たに強力なプラットフォームを創り出すことは間違いないと確信しています。それらを実現するために具体的にひとつは、「L´ブランディング」を具現化する施策を実施すること。もうひとつは「CHENGE」を推進していくことです。
電通の4代目社長の吉田秀雄は業界で働く人々の中では知らない人はいません。「電通 鬼の十則」という電通の行動規範とも言えるものがあります。その吉田秀雄の言葉に、広告とは「科学の視点」「芸術の視点」が必要で、
「広告とは、科学と芸術の高度な融合だ」 と言いました。
まさしく「L´ブランディング」の実現までにはいろいろな模索は必要でしょうが、「広告とは、科学と芸術の高度な融合だ」に倣い 「広告メディアとは、マーケティングとクエイティブの高度な融合だ」 で話を結びたいと思います。
株式会社和歌山リビング新聞社 代表取締役社長 西田 弘
(株)和歌山リビング新聞社代表取締役社長。(株)リビングリレーションズ代表取締役社長。ソーシャルカルチャーネットワーク(株)代表取締役社長。一般財団法人リビングソーシャルプロジェクト代表理事。NPO法人コミュニティマネーわかやま理事・大人大学推進協議会会長・日本宇宙少年団和歌山分団長。