新しいビジネススタイル(海外の事例)
もう少しスケールも大きくグローバルな事例をご紹介させていただきます。例えばシニアマーケットを例にとると、2007年(2007年問題)は65歳以上5人に1人で超高齢化社会にまっしぐらでございます。また2050年には2.5人に1人になると言われています。具体的な例として
●「フランスのニットメーカー・ゴールデンフック」(Golden Hook)はニット帽やセーターなど、おばあちゃんを指名してカスタムメイドするニットブランド。色や素材、編み方などすべて自由に個人的な趣味でカスタマイズできる。長年編み物に親しんできた普通のおばあちゃんがファッションデザイナー。おばあちゃんとしては、わたしは誰かに必要とされているという生き甲斐を感じながらモチベーションを高めることができます。
http://www.goldenhook.fr/fr/
交通事故を少しでも減らしたい、いろいろな状況で交通事故がもたらす問題は多岐にわたり社会問題として非常に重要なテーマです。フォルクスワーゲンのキャンペーンでスピードを守った人に宝くじが当たるというような「安全運転宝くじ制度」がスウェーデンで実施されました。
●「スピードカメラロッタリー」と言いますが、法定速度を超えて運手すると、それだけで犯罪行為ですし、交通事故が増加する大きな要因です。道路に設置したカメラで、違反者の写真を撮りスピード違反の切符をきる。は当たり前の一般的なことですが、制限速度を守った車の写真をとり制限速度を守った人には宝くじの当たり券をプレゼントする。宝くじの当たり券の費用はスピード違反の罰金から支払われますし、実施した結果、3日間で22%も平均速度(6.8キロ)が下がった。というのですからウィンウィンのシステムであると思います。楽しいという感情は、人々の行動を変えるパワーを持っています。罰を与えられるからやめるといったネガティブなリアクションより、ポジティブなアクションの方が自ら進んで実行するし継続もしやすい。という基本的なことですが何かことを起こす場合に必要なポイントだと思います。
http://ad-rock.org/?p=1643
●「一枚のチラシで28万人にプロモーションした二匹のパンダ」という奇抜な企画ですが、日々大量にトラシが印刷され、オリコミや街頭配布で、メッセージを送るわけですが、実情はとりあえず受け取り、目をさほど通すこともなくゴミ箱へというパターンが多いように思います。チラシの製作には、紙・インキや印刷機を使うためのエネルギーが消費されています。世界自然保護基金(WWF)がハンガリーで実施したプロモーション活動が世界中で話題になりました。一枚のチラシで28万人以上の人々にメッセージを伝えることができたということです。パンダ一号、二号が仲介し、上のパンダから下のパンダへ、下から上へ、上下2頭のパンダが、エスカレーターを利用するお客様にチラシを配布そして回収するという循環システム。ショピングモールのエスカレーターがけっこう手持ち無沙汰でしっかりと中味に目を通してもらえるタイミングということを活用したエコなPR手法です。しかもその様子をユーチューブの動画で流し話題を呼んだ。まさしくアナログとデジタル融合のプロモーションをフルに活用した事例です。世界自然保護基金(WWF)の活動目的である自然環境保護が結び付き画期的なプロモーションとなりました。
動画はこちらで確認できます。
●「ビッグイシュー」(THE BIG ISSUE)
ビッグイシューは1991年にロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊しました。ホームレスの人の救済(チャリティ)ではなく、仕事を提供し自立を応援する事業です。例えば大阪では野宿生活者の約7割が働いており、過半数の人は仕事をして自立したいと思っています。『ビッグイシュー日本版』は働き収入を得る機会を提供します。
定価300円の雑誌『ビッグイシュー日本版』をホームレスである販売者が路上で売り、160円が彼らの収入になります。最初の10冊は無料で提供し、その売り上げ(3,000円)を元手に、以降は1冊140円で仕入れていただく仕組みです。販売者は、現在路上で生活しているか、あるいは安定した自分の住まいを持たない人々です。住まいを得ることは単にホームレス状態から抜け出す第1歩に過ぎません。そのため、販売により住まいを得た後も、必要な場合にはビッグイシューの販売を認めています。
http://www.bigissue.jp/
株式会社和歌山リビング新聞社 代表取締役社長 西田 弘
(株)和歌山リビング新聞社代表取締役社長。(株)リビングリレーションズ代表取締役社長。ソーシャルカルチャーネットワーク(株)代表取締役社長。一般財団法人リビングソーシャルプロジェクト代表理事。NPO法人コミュニティマネーわかやま理事・大人大学推進協議会会長・日本宇宙少年団和歌山分団長。