社会の役に立ちたい65.2%。
データ的にはソーシャルビジネスに関わる個人・NPO・財団法人・株式会社など各々の組織形態として事業者数約8000、マーケットとしても2400億円、雇用者数3.2万人、イギリスでは事業者数約55000、マーケットは5.7兆円、雇用者数77.5万人、日本の約20倍以上のスケールでございます。というようなことが現状でございます。ますます倍々で今後日本でも拡大していくものだろう予測されています。東北の震災以来いろいろな場面で、人々の生き方や生き甲斐などの価値観や社会との関わり方が大きく変わってきていることは顕著です。社会のために役立ちたいという意識が高まり、全体では65.2%、40歳代70.9%、50歳代70.5%というようなアンケート調査結果は、以前では考えられなかった数値であるような気がします。
社会と人間の進化
マーケットにおいても大きな変化がここ数年起こっています。「本田のエコカー・インサイト」「トヨタのプリウス」ハイブリッドのエコカーとしては売れるけど、「GMの普通の乗用車」は売れない。「高島屋で売っているバック」は売れないけどバングラディッシュの貧困層を失くすための「マザーハウスのバック」は売れる。というような現象。これは「人々の内面」における進化というか変化が確実におこっていて、少なからずマーケットに大きな影響を及ぼしている典型的な事例でございます。今「新しい資本主義の形」が云々されていますが、ソーシャルビジネスの現場をみると着実に、人々の内面の変化とともに従来では考えられないようなアクションスタイルの変化が訪れていることを感じます。
ソーシャルビジネスにおけるムーヴメントはただ単に単純な「ブーム」ではなく「資本主義の進化」であり「人間の内面における進化」なのです。ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスという言葉が使われるケースが増えていますが、ソーシャルビジネスが社会的課題全般の解決を目指すのに対し、コミュニティビジネスはそのうちの地域的な課題に特化しています。あくまでも行政などで解決できない社会的な課題をビジネスの手法で解決するものです。
ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスに
ベクトルを合わせて
今、ソーシャルビジネス・コミュニティビジネスが全国的な広がりを見せています。あらためてコミュニティビジネスは、地域資源を活かしながら地域の課題解決を「ビジネス」の手法で取り組むものであり、地域の人材やノウハウ、施設、資源を活用することにより、地域における新たな創業や雇用の創出、働きがい、生きがいを生み出し、地域コミュニティの活性化につながるものと期待されています。
株式会社和歌山リビング新聞社 代表取締役社長 西田 弘
(株)和歌山リビング新聞社代表取締役社長。(株)リビングリレーションズ代表取締役社長。ソーシャルカルチャーネットワーク(株)代表取締役社長。一般財団法人リビングソーシャルプロジェクト代表理事。NPO法人コミュニティマネーわかやま理事・大人大学推進協議会会長・日本宇宙少年団和歌山分団長。